芳香


「ふふふ♪」
お嬢様は、今日も何かをたくらんでいるご様子です…
「お嬢様、何をそんなにはにかんでいらっしゃるのでしょうか…?」
「はにかんでなんか、なくってよ」
「いえ…しかし、そうしてお手をお口に当てて…」
「ふふ…これだから、頭の悪い劣等人類は困るわねぇ…」
「…とおっしゃいますと…?」
「匂いよ…」
「は…?」
「手袋の匂いをかいでいるの」
「匂いを…ですか…」

「そう…お前達は劣等人類だから、手袋もロングブーツも、
身に付けることは許されないから分からないのね?
革にエナメルを塗った手袋やロングブーツは、
とってもいい匂いがするものなのよ」
「革の匂い…でございますか…?」

「そう、エナメル革の手袋やロングブーツは、
身に着けていると、だんだん体温が移ってきて、
自分のカラダと一定になっていくのが分かるの。
その時、とってもいい匂いがするのよ…
そう…自分のカラダと、ロングブーツや手袋が、
一体となった時に放つ、とってもいい匂い…」」

「……」

「ああ…もうたまらなくなっちゃう…!
おい、おまえ…! 長鞭を持っていらっしゃい!
奴隷も4〜5人、生きのいいのをね!」

「お嬢様…また鞭打ち遊びですか…?」
「何よ、その目…
いかに特別扱いのお前とはいえ、
私に逆らうと、お前も鞭打ちよ!」

「はい…分かりました、お嬢様。すぐにご用意を…」
「うん♪ 素直でよろしい♪
さあて、今日はどんな責め方をしようかな…♪」
長鞭を音を立てて素振りさせた後、
お嬢様は意気揚々と、
拷問室へと向かわれました…

あ、申し送れました。
私はお嬢様のお付の劣等人類の奴隷の娘でございます。
とはいえお嬢様や旦那様、奥様からは、
その私の身分としては、破格の待遇を賜っております…

お嬢様は少し変わっていらっしゃって、
白いドレスの正装を強要される時以外は、
いつもこんな、喪服のような黒をお召しになっていらっしゃいました。

お嬢様には毎日よく叱咤され、からかわれてばかりでしたが、
その冷酷な目には、どこかお優しい部分がありました…
ともかくも、そんな毎日がずっと続き、
これからもずっと、この命が果てる時まで続いていく…
あの頃は、そう思っておりました…
そう…あの頃は…

徹底した優等人類優越思想の差別主義者であり、フェティシストであり、サディストであり、終末的退廃思想の強い娘…
これほど、黒理佐ちゃんにハマリ役なものもありますまい♪
「地で演技すればいいのだし、ギャラはいただけるし、往復の交通費にお土産に、食堂車のお代まで出していただけるなんて、悪いわね♪」

…あんまりいい気になっていると、今度は劣等人類の野蛮な男どものお慰み者にされる役をあてがってやるぞ…(川辺談)

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