「ソビエト・ロリィタ」

♪りーんごーの 花ほころーびー  かーわもーに 霞たちー ♪
お馴染の「ロシア民謡」の「カチューシャ」にございます。
とある劇など見ておりましたら、ロマノフ王朝の血筋の中で唯一人生き残った皇女アナスタシアが、少女の頃を思い出しながらこの歌を歌うというシーンがありました…。

ちょっと待つです。「カチューシャ」が出来たのは1930年代、流行したのはさらに遅く、第二次世界大戦時、つまり、あの有名な独ソ戦の真っ最中でございます。勿論太平洋戦争もそれは厳しい物でございましたが、両者合わせて3千万人以上の死者を出し、民族の存亡を賭けた戦いという点では、独ソ戦はまさに戦慄すべき出来事でありました。…つまり、アナスタシア皇女の少女時代にそんな歌は存在しませんでした。
たとえこの回想シーンが独ソ戦終結後でありましても、「カチューシャ」は彼女にとって憎っくき共産主義者の愛国歌でございますから、北極と南極が逆になっても、彼女はこの歌は歌わないでしょう…。
そういう事ですから…この歌は「ロシア民謡」ではありません。今の日本語でいえば「ソビエト歌曲」の範疇に入る事になります。

日本人にとって、ソビエトの時代というのは重苦しい雰囲気とある種の恐怖を感じさせるものかと思います。実際、レーニンからスターリンと圧政はいよいよ極まったのですし、戦後は冷戦構造の下、アメリカ陣営に参加したわが国では、「ソ連」と聞いただけで虫ずが走る方も多かったかと。
しかし一方で、鉄のカーテン、氷つく日本海を隔てたこの国に、畏怖の念と共に不思議な好奇心に取り憑かれた人々も意外に少なくなかったようです。「共産主義を賛美する標語が書かれた看板やポスター」「冷酷な科学帝国」「すぐ抑留される」という全体主義の圧政と、ロシア民謡に代表されるおおらかな国民性、トルストイあたりの作品に登場する「善人」たち…捉え所のない存在だったのかもしれません。

そんなソビエト(これも正確にはСоветで「サヴィェート」のカタカナ音に近い)の、重苦しくも科学が非常にの発達した不思議なお国をイメージしたロリィタ・ファッションを、ソビエト=ロシアの血をひく理佐が、理佐的世界観で再現?
但しここでコートや手袋やブーツを赤にするのは素人。毛皮帽を被り、コートはロング丈…それでは「パッ」と見て、ハイ、それでオシマイにございます…。面白くありません。

という事で…お色は黒。いかにも「人民」という感じの質素な服では、このサイトの趣旨から若干外れてしまいますので、ソビエト共産党の高級党員の家庭のお嬢様というコンセプト。本で有名になった悪名高き「номенклатура(ノーメンクラトゥーラ)のお嬢様ですか…?けれど、あまり華美なものではなく、清楚で「良いもの」を。
レースの庇が付いた黒い天鵞絨のボンネット、ある程度の防寒の役目も果たすのですよ。
北の大地の寒気の中、ちょっと寒そうな表情?でも、まだ厳冬ではないようです。襟と袖と裾に、真っ白な毛皮は純粋さの表れでしょうか。コートには毛皮がついていないと、日本人にとっての「ソビエト」ではありません(?)。
ブーツは「ソビエト」「ロシア」を象徴するものの一つではないかと思いますよ。男も女も問わず…という事であれば、多分、世界で一番ブーツが好きな国民ではないでしょうか?
そのメインのブーツは、「科学帝国」を暗示するメタリックな黒。OTK(Over The Knee)、「膝上まで」あるタイプです。ここも敢えて、ブーツのトップは見せずに、コートの下に隠します。その為の、このコートの丈なのです。このあたりの絶妙なつり合いが難しいのですが…ロリィタの中に、近未来的な物質文明的要素をプラス。このブーツなら、モスクワの北風にも負けないでしょうね。

…米国映画あたりなら、当時のソビエトと限りませんが、間違いなく仮想敵国の悪役として登場しそうですね。純真無垢な感じで主人公に近づいて、好意をちらつかせながら協力するのだけれど、その正体は…子供ながらに国家の為に命を捧げた秘密警察のスパイでした…なんて感じかな。まんまと罠に引っ掛かった主人公の前にこの姿で現れて、制帽・長靴の軍服姿の将校に軽く肩を抱かれながら主人公を一瞥し、この表情で「…ごめんなさい。でも、あなたは私の敵なの…」なんて台詞を言いそうです♪…(それにしてもあのお国、自分の事は棚に上げて、人様の国を悪者扱いするのがお好きですね…)。

もう一つひねりを入れてしまうと、その少女スパイは、実は「男の子」だった…という事実が判明するのもなかなか楽しいなあ?その伏線は、実はあったりして…。
今後シリーズ化を目論んでいる「悪の帝国の女装少年」の衣装にも使えそう…?またそういう下らないものをシリーズ化するのかと…はい。いいのです。ここは理佐様のサイトなので、好きなようにするです。ついてこられる人だけついてくるです。わふー♪

と…能美クドリャフカの口真似などしてしまいました…。クドリャフカも、ロシアの血が入ったクォーターですねえ。ロングのストレートヘアーが可愛い…でもでも、知っていましたか?「クドリャフカ(Кудрявка)」って、「巻き毛」っていう意味だったりします。ネーミング自体はСпутник(スプートニク)2号で初めて宇宙に送り出された犬の名前からだと思いますが…あちらを立てればこちらが立たず…世の中はなかなか難しいのです…。ちなみにこの犬のクドリャフカは、そのまま宇宙空間を漂い、ご臨終。なにしろこのスプ2には、帰還用の装置など御座いませんからね…。ああ、なんと残酷で悲劇的なのでしょうか♪

しかし…「アポロは月に行っていない」という番組では、実はガガーリンも宇宙空間には行っておらず、このクドリャフカも宇宙空間にまで行けず、手前のバンアレン帯でご臨終…宇宙へは行けなかったらしいです…。更には、この犬自体も実はスプ2に乗らなかった…という情報もあり、世の中難しすぎて困ったものなのです。わふー…。

おまけ
「カチューシャ」もよいお歌ですが、理佐が好きなのは「У КРИНИЦЫ(泉のほとり)」かな。
…リストの曲ではありません(あれは「泉のほとりで」です)。これも第二次大戦中に流行した曲です。「♪泉に水汲みに来て娘らが話していた 若者がここへ来たら冷たい水あげましょう…♪」という歌詞なのです。メロディは聞いたことがある人もいるかもしれませんです。50代以上の人なら、けっこう知っているはずです。新宿とかでけっこう歌っていたそうです。
MIDIと歌詞の人様のサイトへのリンクをつけておいてあげるので、音が出てもいい人は行くといいです。
会社のPCで仕事中にこのサイトを見ている人は、特にこのご時世ですので、非常にまずいので絶対に行くなです(笑)。

歌詞を見ると、「人民のほのお」などやはり共産主義体制時代だという事が分ります? そして曲の明るさ…日本の感覚ですと、戦時下の曲とは思えませんね。かなり戦線が好転した時代の物(確か1944年で、もう旧ポーランド国境あたりまで押し戻していた頃です)であるのも確かですが、このあたりがロシアの国民性の特徴の一つかもしれません。そして今のロシアでは…特に若者は、殆どこんな歌などは知らないと思いますよ。
こうして時代は流れていくのですね…☆






壁の向こうの科学軍事国家

皆さま、ご来場ありがとうございます。
この表情は好き嫌いがあるでしょうが…もともとは厳しい冷え込みの朝に所在無げに佇む少女のイメージ(だったら右の説明文もそうしろよ…)ですので、ご了承を。
この画像には、ここで紹介したソビエト・ロリィタ以外にも、色々と別の解釈があります。
@黒サンタガール
A.黒キャンペーンガール(たぶん携帯電話)
B予言者少女(OR女装少年)
C死神少女(OR女装少年)
D愛国少女武装親衛隊の隊員用外套
などなど。
…少なくともAは勘弁して欲しいなあ…現実的すぎますよね(笑)

お気軽フォトグラフィー トップへ戻ります






おまけ

以前、カチューシャを原語で歌ってみたい…
でもロシア語は分からないので、ルビをふってほしい…
というお客様がいらっしゃったので、
歌詞を「ルビそのもの」で、こちらに載せておきます。

1番
Расцветали яблони и груши
ラスツベターリ ヤーブラニ イ グルーシ 
Поплыли туманы над рекой
パプリリ ツマニ ナド レコイ
Выходила на берег Катюша
ビハジーラ ナ ベレク カチューシャ 
На высокий берег, на крутой
ナ ビソーキ ベレク ナ クルトイ

2番
Выходила, песню заводила
ビハジラ ペスニュ ザバジーラ 
Про степного, сизого орла
プラ ステップノバ シザバ オルラ
Про того, которого любила
プラ タバ カトラバ リュービラ 
Про того, чьи письма берегла
プラ タバ チ ピスマ ベレクリ

3番
Ой, ты песня, песенка девичья
オイ チ ペスニャ ペセンカ デビチヤ 
Ты лети за ясным солнцем вслед
チ レチ ザ ヤスニム ソンツェム フスレト
И бойцу на дальнем пограничье
イ バイツー ナ ダリニム パグラリツェ 
От Катюши передай привет
アト カチューシ ペレダイ プリベート

4番
Пусть он вспомнит девушку простую
プスチ フスパムニート デヴシュク プロストゥユ 
Пусть услышит, как она поёт
プスチ ウスリシート カク アナ パヨト
Пусть услышит, как она поёт
プスチ オン ゼムリュー ベレジョート ラトヌユ 
А любовь Катюша сбережёт
ア リュボービ カチューシャ スベレジョート

※5番は1番と同じ歌詞です☆

さあ、理佐と一緒に、カチューシャをロシア語で歌いましょう♪

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送